テレワークにもかかわらず、はんこを押す必要があるため、会社に出勤したという、冗談のような話がありました。
名刺を集めることって本当に必要?
日本には、多くの商習慣がありますが、本当に必要なのか考えもせず、「昔からこうしているから」という理由で、残っている悪しき商習慣が多いように思います。
個人的な考えですが、不要というより悪い商習慣と思っているのに、「名刺集め」、「名簿作成」があります。
ビジネス展示会に行くと、必ず入り口に受付が有り、名刺を要求されます。さらに名簿にも会社名から役職、メールアドレスなどを記入させられます。どうしても見たい展示会の場合は、名刺を渡し、名簿のも記入します。しかし、「ちょっと参考までに」ぐらいの展示会の場合、受付を見た瞬間に、回れ右をして帰ってしまいます。
1度だけですが、海外旅行の途中に、ビジネス展示会に言ったことが有ります。名刺を要求されることや名簿に記入させられることはありませんでした。
IT業界でも、古い商慣習が残っている
比較的先進的と言われるIT業界も同じです。特に強く感じるのが、オープンソースの考え方の違いです。海外のオープンソースは、「ダウンロード」のボタンを押すと、ダウンロードが始まります。当たり前の話ですが・・・
しかし、これが日本の場合、「ダウンロード」ボタンを押すと、本人情報を入力するページに移動し、氏名、会社名、メールアドレスなどの入力が終わらないと、ダウンロードできなくなっています。
どれだけ、ダウンロードしてほしくないのだろう・・・
あるオープンソースでは、「役職」が必須項目になっていました。役職がない人はダウンロードしてはいけないのでしょうか?それとも「平」と書けばよいのでしょうか?
ひどいところでは、「カタログ」をダウンロードするのに、本人の情報が入力必須になっていました。「カタログ」ですら、気軽に表示(ダウンロード)できないとは・・・。その製品は、絶対必要というわけではなく、候補の一つだったため、ダウンロードはしませんでしたが。
無料だからって、誰もが会員登録するわけではない
同じ様に、無料のメンバー登録しないと、すべての情報が参照できないサイトが有ります。
ある知り合いが関係しているサイトも、そのような運用方針だったのですが、サイトを見てみると、メンバー登録する前の状態で、参照できる情報が圧倒的に少ないのです。これではメンバー登録しても、大した情報が得られないように思いました。そのことを伝えると、「メンバー登録は無料だよ!」とびっくりした様子で言われました。無料だから、誰もがすぐに登録するとでも思っているようでした。
しかし、メンバー登録するには、個人情報を入力する手間がかかります。現状では、その手間を掛けるだけの価値のあるサイトとは思えないのです。そのためにも、非会員の状態でも、ある程度の情報を発信することにより、メンバー登録するだけの価値のあるサイトであることを示すべきと言いました。残念ながら、うまく伝わらなかった様子でした。無料だから、メンバー登録しない人はいないと言うので、話は終わりました。
古い商慣習のままだと、潜在顧客を逃してしまう
「昔からやっているから」、「ほかもやっているから」と自分の思考を止めて、古い商習慣、無駄な商習慣が残ったままになっています。それにより、意識していないかもしれないですが、将来顧客になる可能性のある人たちを、入り口で排除しているように思えます。それでは、企業の成長は見込めないのではないでしょうか?
ビジネスをうまく回している企業は、来る人を拒まず、まずは入り口から入ってもらい、その後、様々なサービスを行うことで、ビジネスを成長させています。日本企業も同様に、入り口の参入を低くし、顧客を育てていくようにしていけば良いのになぁ、と考えています。